メッセージ

先輩インタビュー:齋藤実花さんから皆へ

どのようなきっかけでこの職業についたのですか?

中学、高校時代と部活動でバスケットをやっていました。足をケガすることが多くたびたび病院やクリニックに通院していたのです。その時に医師、看護師、理学療法士など医療従事者の方の働きぶりに触れ、あこがれるようになりました。
高校生時代に透析をしていた友人のお父さんが亡くなり、その時に臨床工学技士の存在を知りました。高校3年生の時に行ったオープンキャンパスで臨床工学部の展示ブースがあったので、そこで初めて臨床工学技士のことについてお話を聞きました。理系が好きだった私はこの職に進むことを決めました。

 

現在、どのような病院で働いていますか?

卒業後、この透析クリニックに入職して今年で7年目になります。
通常、透析3〜5時間くらいで行うのですが、このクリニックでは6〜8時間くらいかけてゆっくり行います。透析はゆっくり行った方が身体の負担が軽く、食事制限などで患者さんの生活の質を下げることもありません。昼間働いている人のために深夜透析にも対応しています。

 

この職業の魅力、やりがいなどを教えて下さい。

透析施設を選んだのは臨床工学技士として何か1つに集中したかったのと、結婚・出産・育児などでキャリアが中断されても職場に戻りやすいと考えたからです。大きな病院の場合、透析ばかりでなく人工心肺、人工呼吸器、心臓カテーテル関連、ペースメーカーなどいろいろな業務を回らなければなりません。私はとにかく透析という1つの業務を追求しようと思いました。仕事中に患者さんとの会話もあって、とても充実感を感じています。

 

今後の目標、夢は何ですか?

この職についてからは察することの重要性を日々感じています。これは社会人としても大切なことですが、患者さんの命に関わっている医療従事者にはさらに大きなことのように思います。私たちの職種は個々で動くことはほとんどありません。医師、看護師など他の医療従事者と協力して治療を行うので、周囲がどのような動きをしているのか、自分は何をすべきなのか考えて行動することになります。そうした意識を常に持っていたいと考えています。
透析の場合、日々のコミュニケーションの中から患者さんの体調を把握していきます。医師に患者さんの体調について相談されたとき、自分の意見で治療が良い方向に向かった時などは自信につながりますね。そうしたことを積み上げていろいろな方々から信頼されるようになりたいと思います。

 

将来臨床工学技士を目指す高校生にメッセージをお願いします。

『治療機器が安全に使用できるのは技士さんがいるから』と、保守・管理の面で医療従事者の方々からの信頼は厚い職業といえます。しかし、まだまだ一般の方の認知度は低いです。そんな中、みなさんがどの様なきっかけでこの職業に興味を持ったのかは分かりませんが、そのきっかけで将来、みなさんが臨床工学技士となり命のサポートができるかもしれません。
臨床工学技士は責任感のある医療現場に欠かせない存在です。いつか『治療機器が安全に使用できるのはあなたがいるから』と信頼される臨床工学技士になり、胸を張って働いている姿を想像しながら学業や日々の生活に励んでください。

 

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