メッセージ

どのようなきっかけで、この職業についたのですか?

私が高校生であった頃は就職氷河期と言われていた時代で、医療とは関係ない理系大学への進学を考えていました。ある時、高校生向けの職業説明会のイベントがあり、参加したところ、臨床工学技士のブースに目が止まりました。現役の臨床工学技士の方が熱心に説明されており、私はその方から臨床工学技士のこと、臨床工学技士の発展性など、いろいろな話を聞くことができました。医療という安定した職種、将来性が見込める臨床工学技士という資格、これらに魅力を感じて臨床工学技士養成校への進学を決意しました。

臨床工学技士を目指す上で、必要となる資質は何ですか?

私が考える必要な資質とは、シンプルに「やる気」です。苦手なものをやる気で克服し、好きになれば、自然と意欲が湧いて知識・技術が身に着くものです。私は勉強が苦手ですが、学ぶことが好きになり、勉強ではなく趣味のような気持ちで知識を増やすことができました。業務においてはどうしても得意不得意が出てきます。しかし、幅広い臨床工学技士の業務の中で得意分野を見出し、確実に伸ばすことが大切だと思います。是非、やる気を持って取り組める分野を見つけてください。

臨床工学技士の魅力、やりがいなどを教えてください。

入職した当初、院内には私以外臨床工学技士はいませんでしたが、永井病院では新しいことを取り組むことに寛大で、チャレンジを応援してくれる病院でした。そのため、臨床工学技士への認知度が低い中でも、臨床工学技士として何ができるのか、いろいろ試行錯誤することができました。10年前は、カテーテル室や手術室にて、清潔介助・器械出し等を行う臨床工学技士は少なかったのですが、その時にも臨床工学技士がやってくれるなら是非勉強して頑張って欲しいと後押ししてくれました。模索する中で、私は経験の有無に関わらず、臨床工学技士として積極的に幅広い業務に取り組むことにしました。知識・経験が豊富な医師・先輩方についていくことは本当に大変でしたが、次第に周りの方から「MEさんは何でもできるね」と頼られるようになりました。どのような環境下においても、幅広い知識と困難な状況でも乗り越え、人に頼られる立場を確立することが、仕事の意義につながっていくのだと思います。

今後の夢、目標は何ですか?

厚生労働省でも検討されている医療スタッフのタスク・シフトの推進によって臨床工学技士の業務幅もさらに広がっていくと考えられますので、私は臨床工学技士という軸を持ちつつ、許される範囲で新しい業務に取り組んでいきたいと考えています。当院臨床工学技士は、透析・内視鏡・手術・カテーテル・不整脈デバイスなど幅広い業務に従事しております。様々な形で業務の幅が広げられれば、幅広い分野から頼られることになるでしょう。
私自身も、臨床工学室室長を務めつつ診療情報管理分野の勉強も行い診療情報管理士の資格を取得しました。今後は医療スタッフとして、医療現場の立場と診療情報管理士として情報分析を行う一歩引いた立場の両面から新しい業務の形を確立できたらと考えています。
新しい取り組みは沢山の努力とやる気が必要になりますが、それを達成できた時に得られる達成感は何事にも代えがたいものです。私の周囲には新しいことに取り組む意欲を持った若い臨床工学技士が数多くいます。これまでの臨床工学技士の業務を守りつつ、新しい臨床工学技士の道を増やしていきたいと思います。

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